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私説 人生抄


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  おいらせ町発足以来、早3ケ月が経過いたしました。
外郭団体等の合併や統合も進み、それぞれ活発な活動や交流を通じて、町民相互の融和も除々に図られて来た感があります。いよいよ、2万5千人の町民を乗せた『おいらせ丸』が輝く将来性と、限りない可能性を秘めた大海原に船出をしたと言うところでありましょうか。舵取り役を仰せ付かった私と致しましては、今更ながらに、その重大さに身の引き締まる思いであります。

  この上は羅針盤ともいえる百石・下田合併協議会で策定致しました『新町建設計画』に基づき、町民の見守る中、職員共々しっかりと、着実に進んで参る所存でありますので、改めまして皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。


  当町は、117年前までは一つの村でありました。明治22年にそれぞれ百石村と下田村へと独立した後も、奥入瀬川流域の地域として深く関わり合いながら、今日に至って参りました。
  現在、当町は八戸市、三沢市、十和田市の中間に位置し、高速道路のインターチェンジを有し、東北新幹線八戸駅、FAZ(輸入促進地域)に指定された国際港八戸港、そして三沢空港と陸・海・空の高速交通体系の要衝に隣接し、利便性に恵まれて降ります。

  加えて、当町の命名に由来します『奥入瀬川』源流の国立公園十和田湖や奥入瀬渓流の表玄関にも位置しております。
  この恵まれた環境を十分に活かし「住んでみたい、住み続けたい、住んで良かった、そして生まれて良かった」と言われるような町にしたい、故郷にしたいとの思いであります。

  しかしながら、国や自治体を取り巻く環境は、長期化する経済の低迷、雇用環境の悪化、そして、財政赤字の増大等、存亡の危機に直面しており、とりわけ、地方自治体においては、地域経済の活力の低下により、都市部への人口流出、少子高齢化の進行に起因する過疎化と税収の伸び悩み問題が如実に現れており、行財政運営は極めて厳しい状況にあります。

  その打開策として、国、地方をあげて最重要課題に、一つに国税から地方税への税源移譲、一つに国庫補助負担金の廃止・縮減、一つに地方交付税の改革という3つの改革を同時に一体的に行い、分権型社会を築くとともに、国と地方の財政再建に資することを狙った「三位一体の改革」が平成16年度から推進されて参りましたが、最終年度にあたる今年度においても、国庫補助負担金削減額の一部しか税源移譲されておらず、今や地方は、地方の自主的、自立的判断で取り組んでいかざるを得ない状態であります。 

  そして、すでに始まっている地域間競争に勝ち抜くための手段である合併に道を見出した当町におきましても、合併したから良いのではなく、合併に胡座をかいて安閑としている訳には参りません。
  今を千載一隅のチャンスと捉え、合併最大の目的であります人件費を削減し、税収を確保することで、財政基盤をより一層強固なものとし、地域資源を的確に活用し、個性的で効率的な地域経営を行っていくことが可能となり、多様化する住民ニーズに対応できるものと考えております。

  その際に、最も重視すべきことは、そこに住む町民の意向であります。厳しい財政環境の中で、町民の意思に沿った事業の優先度や費用対効果を検討しながら、国が進める集中改革プランと連動した行財政改革に、既存の制度や慣習を超えた努力を傾注し、議会や関係機関、関係団体と連携を図り、地域産業の振興を基軸に、生活環境の進めて参らなければなりません。

  そのことは、町民の皆様に痛みと我慢を強いることも生じかねませんが、今まで以上にあらゆる機会を捉えて町民との対話を実施し、ご理解とご協力を頂けるよう説明責任を果たして合意形成に努め、様々な知恵を絞って町民との協働を実現して参りたいと存じます。

  そのためには、本職のみならず、その中心となる職員の意識改革が最も大事であると考えます。おいらせ塾を継続しながら、各種研修に積極的に参加させ、自らが考え、自らが創造・行動した結果、説明責任を果たせる職員の育成に努めて参りたいと考えております。
  以下、おいらせ町の定めました将来像「奥入瀬の清流にはぐくまれた田園定住都市」の確かな実現のため、前段でも申し上げました町政運営の基本となります「おいらせ町建設計画」にある6項目の方針に沿って、私の公約を織り混ぜながら申し述べたいと存じます。

  まず第1に、『自然や田園と調和したまちづくり』についてであります。当町は、3市に囲まれ交通の利便性が良く、居住地としての条件が整っていると考えております。この地の利により、現在でも土地の需要は北部地域を主に、非常に高い状況にあり、県内唯一、人口が増加している町であります。

  ただし、人口が増えることは、ややもすると自然との調和を損ねた環境を創り出すことになりかねません。「環境基本計画」や「緑の基本計画」を策定し、海岸線、田園風景、おいらせ川の景観を保存しながら、旧下田町が計画した「下田ランドポート構想」に基づく、下田・百石インターチェンジ周辺の整備計画を堅持し、豊な自然と触れ合い、ゆとりある生活が出来るような町づくりに努めたいと考えております。

  そのためには、地域の環境を考慮し、地域の状況に適合したバランスの取れた新たな「土地利用計画」や「都市計画マスタープラン」を策定し、その開発と整備に努めて参ります。

  次に、2点目『住み続けたいふれあいのまちづくり』についてであります。
  少子高齢化社会が進む中で、すべての町民が生涯にわたり、健康で安心した生活を送ることができる環境づくりのため、行政はもとより、民間事業者やNPOが主体的に関わり、隣近所のコミュニティ活動のネットワークを形成し、町民一人ひとりのための充実した保健、医療、福祉を目指して参ります。

  まず、少子化対策については児童館、放課後児童クラブ、延長・休日保育の保育サービス事業等の充実や、出産に対する妊産婦検診等の金銭的負担軽減を図るなど仕事と子育ての両立を支援した子育て環境を整備して参ります。
  高齢者対策は心身ともに健康で住み慣れた地域でいきいきとした生活が送れるよう『第三期老人保健福祉計画』及び『介護保険事業計画』に基づき、介護予防事業や高齢者生きがい活動事業等シルバー人材センターの育成を図って参ります。

  また、障害者が安心して日常生活や社会活動が営むことのできるように『障害者基本計画』及び『障害者福祉計画』を策定し、生涯福祉サービスの充実と地域での雇用の場を確保できるよう努めて参ります。

  今年度の医療制度改革により、病院経営は非常に厳しいものと認識しておりますが、国保おいらせ病院の医師確保と医療機器整備の充実を図りつつ、安心を与えるサービスに努め、各福祉施設、各医療機関との連携を図りながら、医療を中心とした検診体制、診療体制の充実等、保健・福祉・医療のトータルケアサービスを安定的かつ継続的に提供して参ります。

  次に3点目『地域に根ざした産業が活力を支えるまちづくり』についてであります。
  当町は、農業を中心に各種産業が根付いておりますが、産業構造の変動や景気の低迷により、厳しい状況が続いております。
  基幹産業であります農業においては、『新農業振興計画』を策定し、行政と農家が一体となって、生産振興、品質の向上、農地の集積に取り組むとともに、農地や農道の生産基盤整備を図り、足腰の強い農業所得の向上を目指して参ります。

  水産業につきましては、関係機関とタイアップし、鮭やほっき貝の稚魚、稚貝を放流し、水産資源の保全と育成を図り、百石漁港の一部供用開始に伴う関連施設の整備に努め、水産基盤整備による利便性と生産性の向上に努めて参ります。
  特に、生産物のおいらせ町ブランドの確立と流通体系の確立は急務と考えており、各方面、各分野にわたっての連携を密にし、『攻めの農業、攻めの水産業』を協力に進めて参ります。

  商工業につきましては、新産業都市指定で集積しました工業団地や高速道路の利便性を生かし、更なる企業誘致の促進による産業全体の底上げを図って参ります。一方、若者を始めとした町外からの買い物客で賑わう郊外型SCの立地は、雇用と活性化が見込まれるなど大きな魅力がありますが、地域に根ざした従来の商店街との住み分けに配慮し、町民の雇用と所得向上に力点を置いたそれぞれの商業集積地区の振興を図って参ります。

  合わせて、広域的な観光資源の拠点となりうる立地条件を備えた当町の観光施策として、県及び隣接町村と連携しながら、町観光協会とタイアップし、両町でで従来実施して参りました、まつり・イベントに加え、いちょう公園、下田公園の魅力に磨きを掛けるとともに、太平洋、奥入瀬川の自然を活用した観光開発を展開して参ります。

  いづれに致しましても、景気回復の遅れは、町民の生活に直結する問題であり、産業の活性化対策が急務と認識しております。そのためには、農協、漁協、商工会と言った業種の垣根を越えて、産業の異業種連携を密にした施策を展開していかなければならないと考えております。

  次に4点目『奥入瀬の文化が香るまちづくり』についてであります。
  歴史のある当町には、様々な伝統芸能や文化財が継承されております。また、町民の多様な文化、芸術、スポーツ活動への取り組みや国内外各地との交流も盛んに行われております。
  このような活動は、当町の大きな財産であり、地域の個性を創っていく原動力でもあります。家庭教育学級の開設、芸術鑑賞事業、講演会等の生涯学習事業やスポーツ推進体制の整備を充実させ、各種協会、団体を通じて積極的に支援し、地域の伝統・文化を継承する教育・文化活動・スポーツ振興、そして国際化にふさわしいイベントを通じた全町的な交流を推進して参ります。

  特に学校教育においては、一人ひとりの特性を引き出し、自らが問題解決できる判断力や学力と思いやる心の人間性、生きるための健康や体力を身につけさせるとともに、将来に夢や希望を抱かせる教育を展開して参ります。
  そのためには、いつの時代にも変わらない教育の普遍的な目標であります『知・徳・体』の調和の取れた人間育成を学校、家庭、地域が一体となって取り組み、合わせて『教育は人づくり』の原点を再認識し、奨学資金制度の充実を図って参ります。

  また、「情報教育推進計画」を策定し、世界で活躍するために不可欠な情報化・国際化に対応できる能力の向上を図って参ります。とりわけ今年度は、国際化時代に即応した人材の育成が必要との認識に立ち、外国語指導助手設置事業を展開し、学校教育を主とした外国語教育の充実を図って参ります。

  さらに、そこに学ぶ生徒・児童の安全確保と快適な環境を考慮し、老朽化の進んでいる校舎等の改築を計画的に進めてまいります。

  次に5点目『利便性の高い快適に暮らすことができるまちづくり』についてであります。
  前段でも申し上げましたが、当町は鉄道、高速道路、空港、港湾が整備された広域の中心地に位置し、国道、県道も整備されて高速交通体系の利便性と交通条件に大変恵まれた町であります。

  しかし、町内の公共交通体系はバスが運行していない交通空白地域も存在することから、新たな運行路線の設置に働き掛けて参ります。
  当町が整備主体となります町道や下水道の都市基盤整備は、町民の生活に直結した身近な整備でありますので、地域格差をなくした今まで以上の整備促進が必要であると考えております。

  あわせて、憩いと安らぎを与える公園や緑地の整備、そしてゴミの問題等、生活環境を向上させる整備にも積極的に努めて参ります。
  また、町民の安心、安全の確保には、消防、防災、交通安全、防犯等の関係上部機関との連携を図りながら、献身的なボランティア活動を続けている各種協会や団体についての支援を行うとともに、常に町民を対象とした訓練等の実施に努めるなどの啓蒙、啓発活動を推進すると同時に、防災行政無線放送施設の統合を始めとした消防・防災施設の充実、街路灯の整備、ハード面においても年次計画の中で、実施して参ります。

  次に6点目『住民と行政の協働のまちづくり』についてであります。
  近年、社会経済状況の変化により、町民ニーズは多様化しております。地域の特性を生かしたまちづくりを進めて参るには、町民と行政が問題意識を共有し、その解決に向かって共に手を携えて進まなければなりません。
  そのための方策として、あらゆる媒体を活用した情報の提供に努め、町民と行政の新しい役割分担による行政経営を目指した『自治基本条例』を制定し、町民と新たな関係を構築してまいります。

  また、前段で申し上げました行財政運営の効率的な運用の一つに、町民が利用しやすい施設を目指した各施設の有効的な活用と管理のため、「指定管理者制度」の導入を進めて参ります。

  以上、「おいらせ町の建設計画」に掲げました6項目の方針に沿って、私の所信の一端を述べさせていただきましたが、私は、一つ目に「地域の個性を尊重しあうまち」二つ目に「創造的な連携による競争力のあるまち」三つ目に「住民の顔が見え挨拶がこだまする町」四つ目に「行政と住民自治の仕組みを持つまち」を理念とし、その実現のため、誠心誠意、邁進して参る所存ででありますので、三顧の礼をもって、改めまして各位のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いもうしあげまして、所信表明と致します。

               平成18年6月

                     三 村 正 太 郎


平成18年1月29日 公開
平成20年1月12日 更新



平成18年6月議会所信表明


平成18年6月定例議会所信表明